まさみさんとさとみさん

長澤まさみ(1987~)さん

【画像引用 アクトレスプレス】
長澤まさみさんは1987生まれの俳優・モデルです。1999年の東宝シンデレラオーディション(*1)のグランプリに選ばれ、同年にテレビデビュー、2000年に映画デビューを果たしました。また同時に雑誌「ピチレモン」(*2)の専属モデルにもなりました。
2004年映画「世界の中心で、愛を叫ぶ」に出演し、白血病の少女を演じるために、自らの申し出でスキンヘッドにしたことで注目を呼び、同年の日本アカデミー大将の助演女優賞を受賞しました。その後キャリアを着実に積み上げ、2015年映画「海街diary」がカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品され、国際的にも有名な俳優になりました。
近作ではドラマ「コンフィデンスマンjp」(2018)が話題になり、2019年と2020年に同題の映画作品が作られ、現在3作目が撮影準備中のとのことです。現在の日本を代表する女性俳優だと言えます。

映画「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」(2003)小美人役
【画像引用 YouTube】

映画「MOTHER」(2020)

映画「MOTHER」より
【画像引用 産経新聞ネットニュース】
長澤まさみさんはデビュー以来アイドル的な存在として活躍してきましたが、映画「モテキ」(2011)の頃から様々なタイプの作品で演技をするようになりました。上記でも触れた映画「海街diary」では一見快活だが内面にいろいろな問題を抱えた女性、映画「散歩する侵略者」(2017)での異星人の侵略の中で力強く生きる人間を、映画「銀魂」(2017)での振り切った演技を、また上記ドラマ・映画「コンフィデンスマンjp」のコケティッシュだが、人を食った詐欺師役など、演技の幅を広げる作品に出演してきました。
ここで紹介する映画「MOTHER」は、そういったキャリアの積み重ねの集大成ともいう作品です。この映画は実際にあった少年による祖父母殺害事件をモデルにして作られました。
映画は長澤まさみ演じるシングルマザーの「秋子」が、息子の奥平大兼(2003~)演じる「周平」を学校にも通わせず連れ歩き、行きずりの男性と関係を持ちながら生活を続けますが、同じようにその場しのぎの人生を送る阿部サダヲ(1970~)演じる「川田遼」と出会い、犯罪を繰りかえしながら、さまよい続ける生活を行います。秋子の元夫や、夏帆(1991~)演じる児童相談所のワーカーの関りにも耳を背け、最終的に祖父母の殺害に至る終幕を迎えます。
なによりも長澤まさみが演じる秋子が、モンスターと呼びたくなる凄まじい「毒親」感と、一方で息子と一種の共依存関係から抜けられない弱さが、なにげない仕草や佇まいにも表され、笑顔が一転空虚なまなざしに変わる瞬間が、圧巻の演技で表現されます。
また奥平大兼や阿部サダヲの演技も、実在感を匂わせる秀逸な演技で見せます。また福祉ワーカーの誠実であるが故の、上から目線の押し付け感を感じさせ、筆者もこういった仕事をしていただけに、切実なものを感じました。
長澤まさみさんはインタビューのなかで、これほど感情移入の出来ない役は初めてだと語っていました。同じ時期にヒット作品が続いていためか、あまり注目を浴びませんでしたが、長澤まさみの俳優人生にとってエポックな作品になったと思います。
多くの人に観ることを勧めたい映画なのですが、こういった内容なので映画を観て傷ついてしまう方もいると思うので、その辺りの「覚悟」ができる方にのみお勧めします(*3)。

モデルになった事件

石原さとみ(1986~)さん

【画像引用 マキアオンライン】
石原さとみさんは1986年生まれの俳優です。2002年ホリプロタレントスカウトキャラバンでグランプリを受賞し、俳優活動を始めます。2003年NHK連続テレビ小説「てるてる家族」で主人公を演じます。その後映画では「人間失格」(2010)、「月光ノ仮面」(2012)、「進撃の巨人」(2015)、「シン・ゴジラ」(2016)、ドラマでは「義経」(2005)、「リッチマン・プアウーマン」(2012)、「失恋ショコラティエ」(2014)、「地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子」(2016)、「アンナチュラル」(2018)、といった作品に出演し、評価の高い俳優になりました。
私が最初に石原さとみに注目したのは、「地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子」での演技でした、石原さとみさんはこういったお仕事と恋愛に一生懸命な女性を演じると、リアリティのある演技をします。またこの作品自体も面白く、「校閲」という一般的にあまり注目されることのない職業を紹介しており、読書好きの筆者にとってなかなか興味深い内容でした。また「進撃の巨人」での振り切った演技や、「シン・ゴジラ」での女性官僚の凛々しさが素敵でした。2020年には結婚をされ、少し仕事をセーブされるようですが、これからも華やかな演技を見せてくれると思います。

ドラマ「アンナチュラル」(2018)


【画像引用 ヴィデオノート】
その主題歌と共に、2018年に最も話題を呼んだドラマだと思います。筆者は放送時にも観ていたのですが、当時精神状態が良くなかったこともあり、主題歌以外はあまり印象に残っていませんでした。しかし後日DVDをレンタルして改めて観ると、その精緻な作り方に引き付けられ、一気にハマってしまいました。
ドラマの内容は、殺人事件などで司法と協力し、遺体の解剖で医学的な観点から真相を追求するという、法医学の視点から社会問題を描く、これまでにない独創的なドラマでした。
謎解き要素も多く、また社会の中で自身の立ち位置に苦悩する登場人物の描き方にリアリティがあり、どちらかという救いのない展開の中に、一点の希望を残すような物語の展開に、筆者も度々涙を誘われました。
これまでどちらかというと、可憐で華やかな役の多かった石原さとみさんにとっても異色のキャスティングで、これによって石原さとみさんの俳優としての存在が改めて注目されました。
またエンディングテーマの米津玄師(1991~)の歌う「Lemon」がヒットし、これにより米津玄師の名前も一躍世に知られるようになりました。私はこの歌を放送当時から「良い歌だなあ」と思っていましたが、これほどの有名曲になるとは思いませんでした。
かなりシリアスなドラマですが、必ず救いがあるので、まだ観ていない方はぜひ観てほしいと思います。
Lemon

映画「進撃の巨人」より
【画像引用 YouTube】

終わりに

今回紹介したおふたりは文字通り「スター」という言葉がふさわしい方だと思います。これからも素敵な作品に出演してもらいたいです。

【画像引用 モデルプレス】
*1 東宝シンデレラオーディション
東宝シンデレラオーディション
*2 ピチレモン
ピチレモン
*3 その辺りの「覚悟」ができる方にのみお勧めします。
この作品と同じ時期に同じようなテーマを扱った「許された子どもたち」(2020)が上映されました。児童虐待や少年犯罪を扱った点は同じですが、切り口はかなり違います。良い映画ですがこの作品も観る人を選ぶ内容です。

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local_offerevent_note 2021年1月12日
  • スピノザ

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