通貨の歴史

 

現代社会に生きる我々は、通貨を当たり前のように使って暮らしています。一番身近な例として、街にある店舗やインターネットショップで商品やサービスの購入や税金や公共料金の支払いをしたり、仕事の給料として貰うことだと思います。

我々が使う通貨がいつ誕生したのか、世界ではどのような通貨が使われていたのかを、この記事では紹介します。

 

○通貨の始まり

大昔は、様々なものを物々交換して人々は暮らしていました。

例えば、漁で魚を獲って暮らしている人と狩猟で肉を獲って暮らしている人が仮定します。

魚を獲って暮らしている人はたまには肉が食べたいと思っていて、狩猟で肉を獲って暮らしている人は魚を食べたいと思っている。では肉と魚を交換すればいいという結論に至ります。しかし、交換するためには、欲しいものと交換するものが一致する相手を探さなければなりません。電話もメールもインターネットもない時代に交換する相手を探すのは、時間も手間もかかり大変です。そこで、自分の持ち物を誰もが必要としているものに変え、それと交換に自分が必要としているものや欲しいものを貰うという考え方が生まれました。これが通貨の始まりです。通貨は、手間と時間を短縮し、必要なものや欲しいものを得る「生活の知恵」から誕生したものです。

【画像引用 東洋経済ONLINE 意外と知らない、そもそも「おカネ」とは何か

 

○通貨として使われたもの

古代日本では、米が通貨として使われていましたが、これは国や時代によって違います。例えば古代ローマ帝国では塩、19世紀の中国や中央アジア、モンゴルでは茶葉、17世紀頃のニューファンドランド(現在のカナダ)では先住民と入植者の間で魚が通貨として使われていました。ちなみに、お金に関する漢字に「貝」がよく使われているのは、古代中国で貝殻が通貨として使われていたからです。

 

これらの通貨とされていたものを見ると、下記のような共通点が挙げられます。

・食料品(主食)または飲料水

・生活必需品

・貴重なもの(塩で財を成した家もある)

・生産地が限られているもの

・文化や習慣を反映しているもの(日本は稲作・ニューファンドランドは漁)

上記の画像は、19世紀の中国や中央アジア、モンゴルで通貨として使用されていた茶葉です。固めてあるものをお湯に溶かして飲んでいました。

【画像引用 msn ホントに使われていた、世にも奇妙な世界の「通貨」8選 】

 

全体を見ると、供給が過剰にならず、ある程度の範囲で調達できるものが通貨として使われていたようです。

 

○紙幣や硬貨はなぜ誕生したのか

食料品や飲料水は生活必需品であることから、通貨には最適でした。しかし、炊飯器や冷蔵庫がない時代は、食料品や飲料水の保存期間は長くありませんし、車や飛行機がない時代は短時間で多くの食料品や飲料水を運ぶのは難しいです。痛みや腐敗があれば、通貨としては使えません。それならば、食料品や飲料水も通貨で購入すればよいのではないかという考えが生まれます。しかし、ここでひとつ問題が浮かび上がってきます。食料品や飲料水の代わりに何を通貨にすればよいのかという問題です。食料品や飲料水などは、状況によって多く必要とすることもあるので、通貨の素材となるものは、なるべく多く持ち運びができるものがよいことは確かです。もうひとつ通貨の素材となるものの条件として、痛みや腐敗の心配がなく、長期間保存できることがあげられます。これらの条件に合ったものとして注目されたのが金属です。日本で最初に作られた金属の通貨は富本銭です。平成10年(1998年)に奈良県の明日香池遺跡から発見され、7世紀頃のものとされています。ヨーロッパでは、紀元前の古代ギリシャの頃から様々な絵柄の硬貨が使用されていました。様々な絵柄があるのは、芸術や文化の発展の表れでもあります。筆者が思うに、読み書き計算などの教育を受けていない人でも通貨の絵柄と素材で値段を見分けることができるように様々な素材や絵柄があったのだと思います。(「魚1匹が銅貨2枚」、「小麦粉1キロが銀貨1枚」など)。しかし、世の中が発達し、硬貨でのやり取りが増えると、硬貨を作るための金属が足りなくなりました。そこで注目されたのが、金属より軽い紙でした。世界で最初の紙幣は、10世紀の中国です。ヨーロッパでは、15世紀後半まで紙幣がありませんでした。ヨーロッパで最初の紙幣が誕生するのは1483年のスペインです。世界史では、スペインが最も繁栄した頃です。日本で最初の紙幣が誕生したのは、1600年頃、日本史上では、関ヶ原の戦いの頃です。紙と紙を作る技術の発祥は中国ですが、当時は紙と紙を作る技術がとても貴重だったため、海外には伝わらず、国や地域によって紙幣の誕生の時代に差が生じたのです。

上記の画像は、古代に使われていた硬貨です。

【画像引用 三菱UFJ銀行 貨幣資料館】

 

普段使っている通貨も歴史を見ると、様々なことが分かりました。デジタル技術が発達し、キャッシュレス制度も普及しつつある現代ですが、先人の知恵ともいうべき通貨(ここでは硬貨や紙幣)のよさをもう一度見直してみたいと思います。

 

画像引用 参考URL

東洋経済ONLINE 意外と知らない、そもそも「おカネ」とは何か

https://toyokeizai.net/articles/-/228308

msn ホントに使われていた、世にも奇妙な世界の「通貨」8選

https://www.msn.com/ja-jp/money/news/%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%88%E3%81%AB%E4%BD%BF%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%9F%E3%80%81%E4%B8%96%E3%81%AB%E3%82%82%E5%A5%87%E5%A6%99%E3%81%AA%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E3%80%8C%E9%80%9A%E8%B2%A8%E3%80%8D8%E9%81%B8/ar-AAluCLT

三菱UFJ銀行 貨幣資料館 ホームページ

https://www.bk.mufg.jp/csr/contribution/kids/gallery/exhibit/world/index.htmlma

man@bow お金の歴史雑学コラム

https://manabow.com/zatsugaku/

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local_offerevent_note 2019年11月20日