入院期間に生まれた新たな希望

6 年前に精神疾患で入院しました。そこは閉鎖病棟でした。一般社会から遠く
離れた状態で1 年2 か月を過ごしました。夢も希望もありませんでした。入院
して最初の頃はどこにぶつけていいのか分からない不満が溜まりテーブルを壊
したこともありました。薬を飲むことを拒否し暴れていると隔離と呼ばれる独
房のような病室に入れられました。隔離にいると今日が何月何日かということ
が次第に分からなくなっていきました。隔離に入れられて出来る最後の抵抗は
食事をとらないということでした。食事を拒否して3 日ほどすると拘束着を着
せられベッドに縛りつけられ点滴を受けました。
私の病名は統合失調症です。誰も話していないのに話し声が聞こえます。そ
の話し声は自分に向けられることもあります。強い口調で命令してくることも
あります。食事の拒否は自分の意思で行ったこともありますが、誰か分からな
い話し声の命令で行ったこともあります。次第にその話し声はその時、自分が
一番困ることを要求してくるようなりました。
診察の時暴れろ、でたらめなことを言えとかです。
もう一生この病院から出ることはできない、そう思っていました。一日中ベ
ッドに寝転んで過ごしていました。転機となったのは、ある入院患者が私に教
えてくれた退院するためのコツでした。薬は飲む、日中はベッドで横にならな
い、医師に退院したいと言う、この3 つの事柄を実行すれば退院できるとのこ
とでした。私はこの話を聞いたときから生活をあらためました。退院するとい
う目標ができました。新たなる希望です。この3 つの事柄は特別なことでなく
当たり前のことなのですが、長期間入院していると見失ってしまう事柄です。
今は無事退院し、社会復帰に向けて努力している最中です。病状も落ち着き、
服用する薬の量も減りました。あきらめることなく続けて行けば願いは叶うと
信じています。今でも時々病気になる前に戻れたらと思うことがあります。そ
れだけは絶対に無理なので前に進むしかないです。

Bru-nO / Pixabay
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local_offerevent_note 2020年10月27日