増加傾向にある引きこもりのご相談

自立訓練(生活訓練)施設ジョブエルに届くご相談の中でも最近増えているのが、引きこもりのご相談です。

 

【ひきこもりの定義】

仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6か月以上続けて自宅にひきこもっている状態

(引用:厚生労働省のホームページ

ジョブエルに届く主な引きこもり相談は、自室にずっと閉じこもっているタイプではなく、買い物など家族とは外出することはあっても、仕事や学校、障害者施設に通っていない方たちです。引きこもりの期間は、1年以内から20年以上の長期間まで様々です。ご相談は、ご本人を伴わず、ご家族だけの場合もあります。同意を得ることが出来れば、ご自宅までお伺いしています。

お話を聞いていくと、学校や仕事でのネガティブ経験から通学通勤ができなくなり、人との関わりも減って、家にいる時間がどんどん長くなっていました。更に、深く探っていくと、不登校、いじめや受験の失敗、仕事での失敗や人間関係、障害が引きこもりのきっかけになっていることがわかりました。

通所の可否を確認し、環境への不安を軽減するため、見学から始めます。しばらくは家族と一緒に通所していたとしても、環境に慣れ、心の自信がついてくると一人でも通所できるようになってきます。通所時間は短時間から始め、徐々に施設での滞在時間を増やしていきます。対人関係が不慣れな場合は、個別空間から集団へと慣らしていくことで、不安が軽減されます。

当事者の方は、長期間にわたって社会参加していないことで、ごくごく当たり前の一般常識が理解できていない場合があります。また、他者とのコミュニケーション不足により、社会性が乏しく、対人関係がうまくいかないこともあります。中には、これまで日中活動の時間が極端に短かったことにより、体の関節が固くなるといった身体的な影響が出ている方もいました。

 

自主的な通所が継続できてくると、少しずついろんなことに挑戦する意欲が高まってきます。そしてそこから新たな可能性が更に広がっていきます。気を付けていることは、対象者によってペースがあることです。「急がば回れ」。対象者のペースに合わせて、支援者は徐々に心の距離を近づけ、安心できる居場所づくりをすることを心掛けています。

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local_offerevent_note 2020年5月22日