「働きたい、お金を稼ぎたい」いう気持ち

伸楽福祉会ジョブエルの自立訓練(生活訓練)に通所している方の中には、就労経験のない18歳~20代前半の方が複数います。ほとんどの方が、高校、特別支援学校を卒業してはいますが、不登校であったり、通信制の高校で、他者とはコミュニケーションをほとんど取らずに過ごしてきた人です。働くこと以前に、最初は、人との関わり方がわからず、社会参加することに不安を抱えています。

ジョブエルの自立訓練(生活訓練)は、通所人数が10名程度で、一軒家を改築した場所であることから、常時20人程が通所している就労系施設よりも通所しやすいようです。最初の目標は、家から出て通所することです。3ヶ月ほど通所すると、個性が見えてきますので、具体的な目標を設定していきます。自立訓練(生活訓練)は、基本的には2年間で終了します。2年後には、何らかの形で社会参加をしていくことになります。

通所から1年が経過すると、振り返りを行います。社会参加をしていなかった人は、通所を1年間継続できたことが大きな自信になります。パソコンやレクリエーション、ソーシャルスキルトレーニングといった様々なカリキュラムを通して、自分の個性や、得意不得意に気づいていきます。2年間の中では、他の人が自立訓練を卒業していく姿も見ていくことになります。先輩たちが就労へ進んでいく人たちを見ることで、自然と「働く」ことを意識するようになってきます。

2年目に入ると、卒業後の検討が始まります。「働く」といっても就労経験のない人は具体的なイメージがなく、何がしたいか、何ができるのかもわかりません。そこで、個別カリキュラムとして簡単な作業体験を行っていきます。作業体験の中には、パソコンを使った作業も含まれます。利用期間が残り半年ほどになると、卒業先をどこにするのか具体的な進路を決定していきます。この時期には、「働く」ことをしっかりと意識している人がほとんどです。すぐにはしっかりとした収入が得られずとも「家族に経済的負担を掛けているから、働いて少しでも家族への負担を減らしたい。」という気持ちを持っている人は多くいます。

 

自立訓練(生活訓練)で過ごした時間が、ご本人が持つ本来の力を引き出し、次の未来をいつの間にか作り上げています。通所を始めた頃は想像もしていなかった自分が、2年後には現れます。『ジョブエル=JOB(仕事)を得る』なのです。

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local_offerevent_note 2020年6月2日