声優の世界(1)すみぺ様、降臨の巻

声優について

説明しなくてもみなさんどなたかご存じだと思います(笑)
【画像引用 エキサイトニュース】
タイトルを見てなにかと思うかもしれませんが、要するに私の推しの声優さんの話です。
その前に「声優とは何か?」という話を少し書きます。
声優は英語ではvoice actorまたはvoice actressと呼ばれています。以前は「声の出演」としてクレジットされていましたが、1980年代頃から「声優」という名称が一般的になりました。声の仕事をしていれば基本的にはすべて声優なのですが、今日では声優は職業の名称として認知されています。しかし職業として確立したのは比較的最近のことで、以前は演劇の仕事をしていた俳優が芝居だけでは食べていけないので、副業として行っているケースが大半でした。そのため俳優業よりは一段低いものとして取らえられ、声優自身もそのことをあまり公にしないケースが多かったようです。
流れが変わったのは1970年代後半からのアニメブームの存在です。それまで日陰の存在であった声優が注目されるようになり、声優自体がアイドル的存在になりました。また声優がアニメ作品の歌を歌ったりして、声優によるコンサートも開かれるようになりました。
現在に至るまでこの傾向は続いており、成りたい職業のランキングにも入るようになりました。しかし他の芸能界のタレントと同じで、人気があるのは一握りの存在で、また長らく再放送の放送料が払われなかったこともあって、人気がある声優でもそれに見合った収入がなく、声優自身の働きかけによりかなり改善は見られましたが、いまでも過重労働気味の面はあるようです。
声優にはいろいろな仕事がありますが、以下の4つが代表的なものです。
1、アニメーション
私たちが一番「声優」という言葉からイメージするのはこれだと思います。アニメの誕生と共に行われてきたので、歴史自体は古いのですが上記の理由により、仕事して確立したのは最近のことです。一般的に声優は様々な仕事をしているのですが、近年アニメ専門の声優も多いようです。
2、外国映画の吹き替え
この仕事はアニメと並んで声優の重要な仕事です。大体同じ俳優には同じ声優がつくケースが多く、TVで映画を観ることが多かった筆者の世代(1950~60年代生まれ)では、実際の俳優の声より吹替の声のイメージが強かったように思います。以前はTV上映でのみ吹替が行われていましたが、近年は映画館やDVDにも吹替がつくようになりました。
3、一般のドラマの吹き替え
最も多いのが、特撮作品などで顔の出ない怪人や怪獣に声を付けるものです。私はどちらかというとこれで知った声優が多いような気がします。これまでは比較的ベテラン声優が行うことが多かったのですが、最近は若手の声優が行うことも多くなりました。
4、ゲーム作品
ゲーム作品の声も声優にとっては大きな仕事です。同じ作品がアニメになったり、ゲームになったりするため、一つの役に同じ声優がつくことが多いです。
他には、ナレーション、ドラマCD、着ぐるみショー声あてなどもあります。また声優の名前で、番組の司会や、ラジオDJを行うことも多いです。
以上が声優業のあらましです。より詳しいことは下記の文章を参考にしてください
声優

アニメ「鬼滅の刃」(2019)竈門炭治郎役の花江夏樹(1991~)さん
【画像引用 芸能エンタメまとめサイト】

上坂すみれ(1991~)さん=すみぺ様

上坂すみれさん
【画像引用 虹神速報】
上坂すみれさんは1991年生まれの声優、歌手です。9歳から子役をしていましたが、声優に憧れ2011年に声優デビューを果たします。声優活動と並行して上智大学外国語学部ロシア語学科に入学します。2012年には大学の学業優秀賞を授与され、2014年に卒業しました。代表作は「ガールズ&パンツァー」(2012)「中二病でも恋がしたい」(同)、「艦隊コレクション」(2015)、「アホガール」(2017)、「スター☆トゥインクルプリキュア」(2019~20)、「トニカクカワイイ」(2020)などです。並行して歌手活動も続けており、2020年現在10枚のシングルと、4枚のアルバム、6枚のDVDを出しています。愛称は「すみぺ」です(*1)。
上坂すみれさんはとても多趣味な方で、それを仕事に生かしています。
最も彼女の情熱を掻き立てているのは「ロシア=ソ連」です。高校1年生の時に聴いたソ連の国家に感銘を受け、また自分が生まれた年にソ連が崩壊したことを知り、ロシアとソ連に興味をもったそうです。それが高じて上記のようにロシア語学科に入学し研鑽を積んだそうです。またそれ以前からミリタリー、特に戦車オタクだったため、ソビエト製のT-34の大ファン(!)になったそうです。学業優秀賞を取ったことからも判るように、ロシア語が堪能で、日常会話なら普通にしゃべれるようです。彼女をこれらの趣味を「共産趣味」(笑)と言っています。この能力を生かして、「ガールズ&パンツァー」では、ロシア語の監修を行っており、作中でも他の声優と共に「カチューシャ」(*2)歌っています。
また彼女は1980年代のサブカルチャー(*3)に興味を持ち、筋肉少女帯(1984~)戸川純(1961~)の音楽、丸尾末広(1956~)のマンガ、サブカルの源流というべき夢野久作(1889~1936)の小説などにのめり込んだそうです。また戦後間もないころの日本映画にも興味を持ち、三船敏郎(1920~97)や天地茂(1931~85)のファンになったそうです。
ソビエト国歌

上坂すみれさんが演じた「キュアコスモ」~「スター☆トゥインクルプリキュア」より
【画像引用 アニメ魔法少女思い出ブログ】

すみぺを見て思うこと

【画像引用 ビルボードジャパン】
上坂すみれさんの活動は独特で、変人が多いと言われる声優界にあってもかなり独特な存在です。写真で見ると普通に美しい方ですが、動画などで観ると典型的なオタク喋りで、いつもどこか落ち着きない不安げな感じが付きまとっています。これは少しずつタイプが違いますが、中川祥子(1985~)、大森請子(1987~)最上もが(1989~)、平手友梨奈(2001~)などに共通して感じるもので、強い自己肯定感と劣等感がないまぜになっているような感覚で、私はそこに返って魅力を感じます。
また上坂すみれさんの興味が、彼女にとって過去のものが多く、また「共産趣味」という言葉が表すように、その過去の時代が持っていた思想的背景をあえてスポイルしているような気がします。過去の文化的遺産を「素材」として扱う姿勢は、現代の思想や芸術に共通するものですが、それをアニメや声優アイドルの文脈で行っていることに彼女の独自性を感じます。
上坂すみれさんの同年代には実力派の声優が男女問わず多くおり、この人たちもおおむね声優と並行して歌手・アイドル活動を行っています。声優活動は基本的に共同作業であり、また自己表出より作品への寄り添いが期待されるもので、かなり高度な技術と集中力が要求される職業です。従って優れた声優は豊かな表出力を持ちつつ、それをコントロールしなければいけないという大変さがあります。そのため変人っぽい言動とは裏腹に、どの声優も職人としての姿勢が見えており、この点は上坂すみれさんにも感じられます。
などと小難しいことを書きましたが、こういったことはとりあえず忘れて、上坂すみれさんを含む声優の世界を楽しんではいかがでしょうか。
最後に声優がDJをやっているラジオや配信番組には面白いものが多いです。アニメと並行して観るとさらに興味が湧いていると思います。

上原すみれさん演じる「ノンナ」~「ガールズ&パンツァー」より
【画像引用 あにめも!】
*1 すみぺ
愛称の由来は、すみれ+ウィキペディア=すみぺでぃあ→「すみぺ」からきています
*2 カチューシャ
カチューシャ
カチューシャ(動画)
*3 サブカルチャー
サブカルチャー

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local_offerevent_note 2020年12月8日
  • スピノザ

    フィットボクシングでダイエットしてます