電脳と蒸気と生ける屍のはざまで(1)

この記事は筆者の体験を中心に、様々な「カルチャー」について語ったものです。今回はその1回目です。

ナイトメアーin元町映画館

いわゆる「ゾンビ」はブードゥー教の祭儀から発生したもので、諸説があるが、刑罰のために一度亡くなった者を復活させ、永遠に奴隷としての罪を与えるというのが、一般的な解釈のようです。史上初のゾンビ映画と言われる「恐怖城」(1932)もこの考えに基づいて作られており、人間を襲うなどの描写は観られません。
しかし「ナイト・オブ・ザ・リビングデット」(を皮切りに制作されたジョージ・A・ロメロ(1940~2017)監督による「ゾンビ」シリーズにおいて、ゾンビの発生を宗教的な理由ではなく、未知の宇宙線やウイルスなどが原因によるものになりました。またゾンビは人間を食らうものとして描かれるようになり,
噛まれた者もゾンビになるようになりました(*1)。基本的には不死身の存在であるが、頭部を破壊することでその行動を止めることが出来ました。このロメロの設定は、以降作られる作品でもほぼトレースされるようになり、多くの名作を生み出しました。
このゾンビ映画の映画祭が神戸の元町映画館(*2)において2013年に行われ、それに関連して、一般の方がゾンビメイクをして、元町商店街を練り歩くというイベントが3月24日に開催されることになりました。これは映画祭を盛り立てるだけでなく、震災以降の町おこし的なイベントでもありました。
筆者はこれを映画館のサイトで知り、映画館に向かいました。意外と人手が少なく残念な気持ちで控室に向かいました。控室でコスプレのメイクを専門に行っている方に、ゾンビメイクをしてもらいました。顔色を悪くし顔中に血糊をつけたいかにもという感じのゾンビが出来上がりました。私は普段着で行ったのですが、自家製のコスチュームを着ている方もかなりいていました。
控室は少し手狭だったので、終わった方から外で待っていて下さいと言われ、私が最初に映画館の前に移動しました。すると前には人だかりが出来ており、一斉に携帯やスマホのシャッターが切られました。まさか自分が写真に撮られるとは思っていなかったので、少々慌ててしまいました。サイトに載せる写真を撮りたいというので、映画館からも写真を求められました。普段と違う姿で少しハイになっていたようで、階段に逆さに横たわりうごめく様子をもらいました。最終的に60名あまりのゾンビが立ち並びました。比較的若い方が多く、私は年長組だったので、「お父さんゾンビ」と言われました。
開始と同時に一斉にゾンビが移動し始めました。みな思い思いのふりを付け、ゾンビっぽい歩き方で行進しました。なかには小さな子供が親と一緒にゾンビメイクをしており、怖いというより可愛いゾンビでした。人通りも多く次々と写真撮影が行われました。恐ろし気な姿なのですが、迷惑をかけてはいけないので皆さん整列をして移動し、信号ではちゃんと待機したので、そのことが後日の新聞報道でも紹介されていました。
私は少々はしゃぎ気味で、子供に笑顔で子供に近づいたりしてのですが、喜んでくれる子もいましたが、大半の子は怖がりなかには泣き出す子もいる始末で、なんかトラウマを与えてしまったかと、少々申し訳ない気持ちになりました。
その後映画の鑑賞と打ち上げが行われたようですが、私は別の用事があったので後ろ髪を引かれる思いでその場を後にしました。
またこういった機会があれば参加したいなと思っています。

イベントの様子
【画像引用 キネプレ】
ゾンビイベント情報
*1 またゾンビは人間を食らうものとして描かれるようになり噛まれた者もゾンビになるようになりました。
前々から疑問に思っていたことがあるのですが、ゾンビに襲われた際に、全身食べられて死んでしまう場合と、一部だけ齧られてゾンビ化する2パターンがあるのですが、この差がどこで生まれるのかが、どの映画を観てもよく判りませんでした。まあ単純に考えて一口齧っておいしかったものが全部食われてしまい、そうでもなかった者がゾンビ化するのかなあ思いました。誰かご存じの方は教えてください。
*2 元町映画館
元町映画館
元町映画館HP

ブログランキング・にほんブログ村へ
local_offerevent_note 2021年4月13日
  • スピノザ

    フィットボクシングでダイエットしてます