私がボランティアで経験したこと(1)

この記事はこれまで私が体験してきたボランティアについての話です。(1)では高校生時代のボランティアについての話をします。
近年ボランティア活動は色々な形で注目されることが多くなっています。1970年代頃までは名称自体あまり浸透していませんでしたが、1981年の国際障害者年(*)の頃から、障害者福祉への理解と併せて、障害者ボランティアの活動が注目されるようになりました。また人口の高齢化と共に老人介護のボランティアも増えていきました。また1995年の阪神淡路大震災やその後に続いた大きな災害によって、災害支援ボランティアも注目されるようになりました(近年はボランティアと聞くと、この災害支援ボランティアと思い出す人も多いと思います)。さらに最近では福祉だけでなく、イベントなどでボランティアを利用することが増えてきました。特に2020年東京オリンピックで、イベントボランティアが注目されるようになりました。ただこれに関しては色々な問題点も指摘されていますが。

最初にボランティアを行ったのは、定時制高校の最終学年(4年生)の時でした。体調や精神的な問題もあり、昼間働いていなかったのですが、昼間ぶらぶらしているのもどうかと親しくしていた教師に言われ、その教師の紹介でボランティアをすることにしました。この時はまだボランティアという概念が一般的でなかった時代で、私も実際に行うまではどのような事を行うのか想像できませんでした
紹介されたのはある薬害問題を扱っていた患者組織の事務所の手伝いでした。この組織は全国団体の兵庫支部でしたが、他の支部とは少し違った行動行っており、患者の製薬会社に対する訴訟支援だけでなく、薬害全般の問題を取り上げる薬害センターも起ち上げていました。
私の仕事は、主に薬害関連の新聞記事の切り抜きとその整理でした。またそれ以外の社会問題の切り抜きも行って、卒業までの1年間限定で行いましたが、切り抜きの量が多くなかなか整理が大変でした。それでもこの薬害の記事だけは最終的になんとか取りまとめることが出来て、達成感を得ることが出来ました。これ以外にも会が参加する集会に出席していたこともあります。
会からは一カ月1万円の報酬を提示されたのですが、こちらから押しかけた感じで報酬をもらうのも申し訳ないと思い断ったのですが、会の方としてもタダという訳にもいかないのでと言われ、それならば毎月1万円を受け取ったことにして、そのまま全額寄付するという提案をしたら、それで構わないと言われ、1年間その形で行うことにしました。それはそれでよかったのですが、寄付するという形にしたため、会報の寄付者一覧のところに毎月私の名前が出るのが、なにか申し訳なかったです。
この支部だけ他の組織と違うということを述べましたが、実は全国団体がある左翼系の政党の支援を受けており、兵庫支部の代表の方が全国組織の指導方針をあまり評価しておらず、この政党とは違う別の左翼組織の人の支援を受けていました。
しかし事務所に常駐している他の方が(患者の方と、アルバイトの方がいました)、この代表のやり方をあまりよく思っていない方が多く、度々意見を聞かれました。私はその代表の考え方が良いと思っていたのですが、はっきり自分の意見は言いづらく、適当にごまかすような感じで答えていました。これまであまり社会経験を持たなかった私にとっては、かなり大きな経験でした。

20代後半ぐらいの女性の支援者の方がいて、ある時政治の話になって、ある政治団体の考え方に関して、少しどうかと思うという話をすると、「私、その団体の活動家です」と言われ驚いてしまいました。しかしその方が私の発言に嫌な顔をせず、活動内容を色々と説明してくれました。最後までその人の意見に賛同できませんでしたが、自分のような高校生をきちんと大人として扱ってくれて、勧誘をもせずに話してくれたことは、私にとっては大きな体験になりました。また恥ずかしい話ですが、年上の女性と話をしたことが今までなかったので、どこかしら楽しい経験でした(ちなみにこの人は既婚者です)。
またこの薬害は視覚障害を伴うことが多く、会報をもらっても読めない方が多いと聞いたので、内容を吹き込んでテープにして送ったらどうかと提案すると、それはいいアイデアだと言われ実施することにしました。最初はひとりでしていたのですが、複数の人間でやった方が良いと言われ、会の方で人を探してくれました。来てくれたの高校生の女性の方でした。福祉に興味があると言われ来たそうです。色々話を聞くと結構経済的に苦労されていた方で、年下でしたが私よりずっとしっかりした方でした。これまた恥ずかしい話ですが、男子校に行っていたので、同年代の女性と話することはなく、すこしどぎまぎしながら話をしていました。ある日同年代の男性を連れてきて「彼にも手伝わせてあげて下さい」と言われ、同時に「彼氏です」と屈託のない笑顔で言われました。別になにも意識はしていなかったのですが、それを聞いてなぜかがっかりしました(笑)。
後日これらの話を妻に言うと「何しに行ってたんや(笑)」と言われました。
ある時、会が参加している別の薬害の集会に参加することになりました。この時は会からひとりで参加していたのですが、現状報告が終わると司会の方から「なにか挨拶をお願いします」と言われました。突然のことで驚いたのですが断る訳にもいかず、自分なりに思ったことをしどろもどろでしゃべりました。今でも思い出すと赤面ものです。
以上が高校時代のボランティア体験です。この時の経験が後に大学でボランティアを行うきっかけになりました。またこれまで学校での生活しかなかった私にとって、初めての社会経験になりました。おそらくこれは今若い方がボランティアを体験する際に同じことを考えているのではないかと思います。
(2)では大学時代のボランティアについて書きます。

* 国際障害者年
国際障害者年

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local_offerevent_note 2020年5月26日
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