この夏は「美術館に行こう!」でアートを

みなさんは「モダン・アート」と聞くとどんなイメージを思い浮かべますか?
「モダン・アート」で検索をしてみると、難しい言葉で書かれていたり、他のアート作品より個性的な表現をしている作品が多かったりするので、どのように解釈すればいいのか悩みますよね…。
そんな人には、明石市立文化博物館で8月29日(日)まで開催中の「美術館に行こう!  ディック・ブルーナに学ぶモダン・アートの楽しみ方」がおすすめです。実際に明石市立文化博物館に行ってみると、「ディック・ブルーナ」の世界観に新たな発見もありつつ、モダン・アートに触れることができとても充実した1日になりました。

第1部「見てみよう」

最初の展示室は、ディック・ブルーナ氏の絵本、「うさこちゃん びじゅつかんへいく」のあらすじに沿って、明石市立文化博物館所蔵の作品が展示されています。作品ごとに、ミッフィーが鑑賞と解釈のヒントを出してくれるので、誰もが気負いせず楽しむことができます。

第1部を鑑賞して改めて思ったことは、「アート作品に正解はない」ということです。ミッフィーが出すのはあくまでヒントであって、そのヒントをもとにどのように見るかは人それぞれ違うものであり、それがアート作品の奥深さだと知ることができる展示となっていました。


※ミッフィーの絵本が日本ではじめて翻訳された当時、ミッフィーは「うさこちゃん」という名前に訳されていました。その後「ミッフィー」の名前で絵本が出版されます。そのため同じキャラクターですが「うさこちゃん」と「ミッフィー」の2つの名前の絵本が出版されています。この記事では、「うさこちゃん びじゅつかんへいく」のタイトル以外はミッフィーとしています。


第2部「考えてみよう」

ミッフィーに誘われて、進んで行くと…。地元にゆかりのあるモダン・アートの作品からディック・ブルーナ氏の経歴へと流れます。アートの中には、絵の中に隠れたモチーフを探す楽しみもありました。

「かんがえてみよう」というタイトルですが、作品をみてどう考えるかはそれぞれ違うと思います。「なぜこの作品を創ろうと思ったのか?」と考える人もいれば、「どうやって描いたのだろう?」と考える人もいると思います。表現も解釈も人それぞれでいいんだ!と思わせてくれる展示でした。


※ブルーナ氏の作品はオランダ語の単語が少し使われているものもあり、勉強にもなります。


第3部「作ってみよう」

このコーナーでは、1人1部ずつ素材の紙を持って帰って、ミッフィーの耳の形を作ったり、色紙でイラストに色をつけることができます。


※新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、会場では素材の配布のみ。



耳は点線に沿ってはさみで切って、テープで止めるだけの手順で小さなお子さんでも簡単に、かつ安全に作れるように配慮されていました。


いろがみワークは、色紙に線を描いて、切って素材の絵に貼り付けるという手順です。筆者は色紙を切って貼り付けましたが、色鉛筆やクレヨンで色を塗ったり、写し絵を描いたりと楽しみ方は自由です。

展示をひと通り見た後に、明石市立文化博物館の学芸員の方に気になることをあれこれ聞いてみました。

コロナ禍の夏休み期間中だったので、来場の際の混雑が気になり伺うと、「1日平均200人前後のお客様がいらしています。ただ、コロナ禍以前の特別展開催中は1日平均400人から500人前後のお客様がいらしていたので、約半分に減っています。また、土日にいらっしゃるお客様も減っています」とのことでした。
来場者の層については、「1番多いのが、20代から30代の親御さんとお子さんの親子連れです。性別で見ると、女性のお客様が圧倒的に多いです」とおっしゃっていました。確かに今日も、親子連れのお客様と若い女性のお客様が多かったです。

作品については、どれを見ていただくか、配置はどうするか等、何回も協議を重ねこだわったそうです。また、小さなお子さんの目線を考えて、展示物の高さを決めたそうです。確かに見ていると、どの作品も低めの位置に展示されており、とても見やすかったです。どの年代でも楽しめることを考えた展示なんだとお話を聞いて改めて思いました。

今回の展示は想像以上にボリュームがあり、見応えのあるものとなっていました。作品を楽しんでほしいという博物館の方々の思いも伝わってきました。
ミッフィーのコメントと組み合わせることでモダン・アートの世界もより広がり、とても楽しめました。また、ブルーナ氏が晩年に尽力していた福祉活動についても、多くのことを考え知ることができました。

他にも、常設展示では明石の歴史と文化を学ぶことができます。喫茶店も営業しています。展示を鑑賞した後、食事をして帰るお客様もいらっしゃるそうですよ。また、展覧会関連のショップもあり本やグッズも購入できます。暑さとコロナ禍で外出もままならない日々が続きますが、可能な方は、一度足を運んでみてはいかかでしょうか。


コロナ対策については、来館されるお客様には、マスクの着用、検温、手指の消毒、入館者記録票の記入をお願いしています。
チケットはオンラインでも販売しています。


おまけ
博物館内にはミッフィーや仲間たちのパネルがあり、写真撮影が可能となっていました。みんなかわいらしいので、どの子を撮るかとても迷ってしまいました。

明石市立文化博物館 ホームページ

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local_offerevent_note 2021年8月7日